形成外科・皮膚科 できもの|福井市の佐藤整形形成外科|腫瘍 ホクロ 粉瘤 など

福井県福井市桃園1丁目1-2

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できもの

腫瘍について

できもの

当科で扱うできもの(腫瘍)は、主に皮膚や皮下組織(脂肪など)に生じた体表の腫瘍です。良性と悪性に分類され、良性腫瘍は一般に増殖が緩やかで生命をおびやかすようなことはありません。

一方の悪性腫瘍は近くの組織に浸潤したり、進行すると転移して増え続けたりしていきますので、生命にも影響してきます。

一見、ホクロやしみなどと紛らわしい皮膚がん(悪性黒色腫など)もありますので、皮膚に気になる異変が生じましたら、早めにご相談ください。

※当院では、皮膚腫瘍に対するダーモスコピー検査のほか、深部の腫瘍に対するMRI検査や超音波検査にも対応しております。

主な良性腫瘍

ホクロ

メラニン色素を産出する色素細胞が変化した母斑細胞の塊がホクロで、メラニン色素を含むことから、褐色・茶色・黒色などの色をしています。医学的には黒いあざとともに色素性母斑と呼ばれます。

ホクロは生まれつきあるものと成長の途中で発生するものがあるほか、形状も平らなものから隆起したものまで様々です。痛みを伴うことはありませんが、子供の頃はまっ平らだったものが、大人になると母斑細胞が増えて隆起するということもあります。

ホクロのがんを疑う目安としては、非対称、不規則な境界 色むら、大きさ(6mm以上)などがあります。医師でも判断が難しい場合があります。少なくとも、足の裏のホクロが急に大きくなってきた場合や、大きさが6mm以上ある場合には医療機関への受診をおすすめします。

治療について
ホクロに対する治療法も治療する医師により様々です。
切除術を行う場合もありますし、悪いものでなければ様子を見る場合もあります。生まれつきの黒あざに対しては、複数回にわけて切除する分割切除術やエキスパンダーを用いた切除術を行います。
皮膚腫瘍外科、レーザー治療の専門医として治療法をご説明いたします。お気軽にご相談ください。

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤は、体のどの部位にもできる皮膚の良性腫瘍です。中央に黒い点状の開口部(へそ)があり、皮膚で裏打ちされた袋の内部には皮脂や角質が入っています。粉瘤に細菌感染が起こったり、嚢腫壁が破れたりすると、発赤や痛みを伴う炎症性粉瘤になります。粉瘤が炎症を起こす前に早めの受診をおすすめします。

治療について
粉瘤の治療には主に標準的な術式とへそ抜き法(くり抜き法)の2つの方法があります。
標準的な術式は、皮膚を紡錘状に切開して腫瘍の本体である袋を破かずに切除する手術です。一方、へそ抜き法は粉瘤の開口部(へそ)に小さな穴を開けて内容物を排出し、袋を取り出す方法です。当院では、へそ抜き法に陰圧吸引の手技を加えた「へそぬき吸引法」を行っています。陰圧吸引を行うことで普通のへそ抜き法に比べて効率的に内容物を除去することができます。へそ抜き法やへそ抜き吸引法は標準的な術式に比べて再発のリスクはやはり高くなりますが、キズを小さくできるメリットがあります。
炎症性粉瘤の治療法
炎症が軽度の場合:抗生物質の内服や外用で炎症を落ち着かせてから摘出手術を行います。
炎症が強く、膿が溜まっている場合:へそ抜き吸引法に準じて小さな穴をあけて内容物を排出します。後日、再発防止のために改めて袋の摘出手術を行います。

脂肪腫

脂肪腫は、皮下脂肪織や筋肉内に生じる良性腫瘍です。ゆっくりと大きくなるため、40~50才代になって気づいて医療機関を受診する方が多いです。多くの場合は、痛みなどの自覚症状はありませんが、まれに血管を多く含むもので痛みを伴う場合があります。

治療について
脂肪腫の治療では、悪性である脂肪肉腫との鑑別が重要です。
急に大きくなってきた場合やサイズの大きい場合、筋肉内などの深部にある場合では、MRI検査などの画像診断が必要です。局所麻酔による手術で通常行いますが、筋肉内などの深部の脂肪腫や、サイズが非常に大きい脂肪腫では全身麻酔下での切除が必要になる場合があります。

ガングリオン

ガングリオンはゼリー状の液体が入った袋状の腫瘤です。成人以降の女性に多く、手首や爪周り、指の付け根に生じます。通常、痛みはないですが大きく膨らんでくると圧迫感により痛みを感じることがあります。また、爪の近くにできるガングリオン(粘液嚢腫)では、爪が圧迫されて爪が変形する場合があります。

治療について
痛みや圧迫感などの症状がなければ、様子見で構いません。そして、自然に潰れてなくなる場合もあります。ガングリオンが大きくなり、圧迫感や痛み、爪の変形を生じた場合には治療を行います。
穿刺吸引は針で液体を抜く簡単な方法ですが、再発率は58~78%と報告されており再発しやすいです。穿刺をしても再発を繰り返す場合や深い位置にあるガングリオンは、手術の適応になります。

眼瞼黄色腫

眼瞼黄色腫は、上まぶたや下まぶたの鼻側にできる平らに隆起した黄白色のできものです。眼瞼黄色腫は人口の約1.1%~4.4%に見られるとされています。この病変は脂質代謝異常(高脂血症)と関連する場合もありますが、約半数の方では高脂血症が認められないことが報告されています。通常、眼瞼黄色腫は痛みやかゆみなどの自覚症状がなく、視力や視野に影響を与えることはありません。

治療について
念のため、血液検査で脂質異常の有無を確認します。
治療を希望される場合、手術による切除や炭酸ガスレーザー治療が選択肢となります。ただし、黄色腫は再発しやすい傾向があるため、脂質異常症がある場合には、食事療法などの脂質管理を併せて行うことが重要です。

主な悪性腫瘍

日光角化症

日光などの紫外線を浴び続けることで発症する皮膚疾患で、皮膚がんのごく早期の病変でもあります。患者様の多くは50歳代から症状が現れるようになり、70歳以上の方が圧倒的に多いです。

痛みや痒みといった自覚症状はなく、皮膚の症状としては表面がカサカサして赤くなったり、かさぶたが見られたり、直径数mmから1cm程度の円形で輪郭のぼやけた発疹などが、日光を浴びやすい、顔面、耳介、前腕、手背部の皮膚に発症します。

治療について
まずは、ダーマスコピー検査などで日光角化症を疑う場合には、まず皮膚の一部を切り取って顕微鏡で調べる検査(生検)を行います。ベセルナクリームという外用剤による治療をまず行います。ベセルナクリームでの完全消失率は57.1%と報告されています。腫瘍が残った場合には、手術による切除を行います。
顔や手などの露出部に多いため、皮弁手術や皮膚移植術など、見た目を損ないように注意して手術を行います。

ボーエン病

日光などの紫外線をはじめ、ヒトパピローマウイルス感染、ヒ素中毒などが原因で起きると言われている表皮の内部に発生するがんの一種で、増殖が表皮内に留まっている状態のものをボーエン病と言います。中高年世代の患者様が多いのも特徴です。なお、ボーエン病は早期の有棘細胞癌と考えられています。

ボーエン病では、表面が赤くてザラザラした状態の皮疹が見られ、形状は円形だけでなく、いびつな形もあります。胴体によく見られますが、手や陰部などにもできることがあります。見た目がよく似ているので、湿疹と間違われることもあります。

治療について
治療は手術による切除が原則です。
手術では、病変の辺縁より数mm離して広めに切除を行います。

基底細胞がん

基底細胞癌は遠いところへの転移は少ないが、深部に成長しやすいという特性がある皮膚がんの一種です。日本人の基底細胞癌の9割は黒色などの色を呈するため、色のある皮膚腫瘍との鑑別が重要です。まれに色のない基底細胞癌もありますが、ダーモスコピーによる検査が有効です。
高齢者の方に多くみられ、50~70才代の方が全体の8割を占めています。

治療について
治療は手術療法による切除になります。
基底細胞癌は顔面に発生することが多いことから、見た目を損なわないように注意して再建手術を行います。転移の可能性は少ないので病変を取り除くことができれば、根治の確率は高まります。

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